2004-05-28から1日間の記事一覧

冲方丁・伊藤真美 「ピルグリム・イェーガー」(1〜3)

いやもう塩野七生ファンからすると「キタ━━━(゜∀゜)━━━!!!!」と叫ぶしかない作品です。舞台はフィレンツェの修道士ジローラモ・サヴォナローラが火刑に処せられた後のイタリア。ルネサンス時代の世相を背景としてヴァティカンの思惑にメディチ家やエステ家、…

冲方丁 「微睡みのセフィロト」

冲方節が炸裂している割に内容はコンパクトに収まっているという、ある意味すごいのか勿体ないのか判断に困る本です。いろいろと膨らませれば、この3〜4倍の分量を持つ本は楽に書けると思うのですが、こういうサイズに収めるのも悪くはない気がするし。 とは…

安部重夫 「イラク建国 『不可能な国家』の原点」

第一次大戦後のイラク建国の青写真を描いた英国の才女、ガートルード・ベル(1868〜1926)の生きた時代を描き、メソポタミアの砂漠に安定した国家を建国することがどれほどの難事業であるかを明らかにしてくれる本です。大英帝国の植民地統治のあり方や、現今…

大澤武男 「ローマ教皇とナチス」

第二次大戦期の教皇ピウス12世(本名エウジェニオ・パチェリ)がなぜナチスのホロコーストに対し沈黙したのか、ということを教皇自身の生い立ちや当時の国際情勢、教会内事情などから探っている本です。 本書では、ヴァティカンの沈黙の要因として下記のいくつ…

先週の土曜日に断髪したら(卒論の時期からずっと長髪だったのですが*1、久々にばっさりとベリーショートにしました)某U師に「ふくだが!ふくだじゃない!」などと言われてがっくりきている今日この頃。 本のほうは最近ノンフィクション(というか歴史)の波が…