A・J・トインビー 「現代が受けている挑戦」

 トインビーの本は一度読んでみたいと思っていたところ、たまたま家の本棚に転がっていたので手にしてみた一冊。トインビーだということで楽しみにしていたのですが、翻訳が最悪でした。この日本語の悪文っぷりは「巨人」シリーズの比ではありません。音引き(──)の前後にいちいち読点をつけているかと思えば、比較的長くて入り組んだ文章なのに複数の文に区切って訳するということもせず、読点を一切入れずに長々しい一つの文で処理していたりするし、同じパターンの末尾表現の文が延々と続いているし……。脳内でいちいち文章を直しながら読むのに疲れ、冒頭の30ページほどで放り出しました。
 本気で読むならOxford University Pressから“Change and Habit”という原題で出ているようなので、そちらを探したほうがいいでしょう。