三浦建太郎「ベルセルク」26巻

 相変わらず読ませるなー。
 この物語、始まってからずっと「剣と魔法」ならぬ「剣と怪物」の世界だったわけですが、シールケが出てきたあたりで「剣と魔法と怪物」ものという感じになってきてます。まぁ、これまでも伏線としてこの世界の構造への言及がたびたびあったので、クライマックスにもっていくならどこかでそれを説明できる魔術師なり錬金術師なりを出すでしょう。
 あとはイシドロとシールケの成長物語というジュヴナイル的な要素も出てきているので、そういう面から読む楽しみも出てきた感じ。
 しかし三浦さん、シリアスな状況の中でひょっこりと笑える場面を作って緩急を出すのがうまいなぁ。当事者たちは必死で笑っちゃいけないはずなんだがつい笑ってしまうという……。こういうあたりのうまさは谷甲州さんも持っているような気がします。