「忘れられない一枚」を求めて: PENTAX K10D+フレクトゴン35mm F2.4/フレクトゴン20mm F2.8



 そういったことを思いつつ一年間GR Digitalをいじくっていたところ、昨年末に飛び込んできたのがPENTAXの新型モデル、一眼レフ中級機「K10D」発売の報。最初、これを知ったときには「ふーん」と思っていたのですが、Web上のレビューや作例を見るにつけ、次第に「くわッ!これだ!これこそ俺にとって最強の料理撮影カメラになってくれるに違いない!喝!(なぜかスタパ齋藤風)」と確信するようになってきました。主な理由は以下の四点です。

  • 中級モデルの一眼レフならではの操作性の良さ。
  • AFを使う場合でも任意の測距点を指定してAFロックを使えば意図した点にピントを合わせた写真が撮れる。もちろんMFも使える。
  • ホワイトバランスの確認・設定が容易。一枚写真を撮ったら、すぐに「これを他のホワイトバランスのモードで撮ったらどうなるか?」が確認でき、その場で最適のホワイトバランス設定を確認できること。
  • いくつか上がってきた実写レビューを見たところ、明暗・色調の階調表現が非常に優れていたこと。広い範囲の明暗・色調を潰れずになだらかに綺麗に表現できる(ラティテュードが広い)。

 実際このモデルに期待していたユーザーは多いらしく、2006年末から2007年初頭にかけての年末年始の時期は非常に品薄だったのですが、あちこち探し回ってなんとか1月初めに実機を確保できました。
 
 実機をいじってみたところ、ホールディングと重量バランスがよく扱いやすい、ファインダーが綺麗、操作性がよいという特徴が感じられて非常に気に入りました。

 さらにペンタックスの一眼レフには(他メーカーの一眼レフでも可能ではありますが)ちょっとした裏技もあります。昔の一眼レフカメラ用レンズの標準的なマウントとしてM42マウントがあるのですが、M42マウント用のアダプターをカメラ本体のマウント部に装着すれば、現代の一眼レフカメラを使いながらM42レンズで写真を撮れるようになるのです(無論、デジカメWatchでのレポートにあるように露出は単体露出計を使うか、実際に撮ったものを見ながらユーザーが適宜調整しなければなりませんし、フォーカスもマニュアルフォーカスになるという制約はありますが)。

 そこでM42マウントのレンズをK10Dに付けた作例も調べてみたところ、特にある方の写真BlogにあったK10D+フレクトゴン35mm F2.4の作例(画像が多いので見るときはご注意ください)にやられてしまいました。やや暗めではありますが、色調が暖かく、立体感のある写真が撮れるのです。これで撮った料理写真の美味しそうなこと……!



 思わずあちこちを探してこのレンズを買い求め、ついでに広角用のフレクトゴン20mm F2.8をK10Dに装着した例(+その作例)も見つけてしまったのでそちらも衝動買い。

 新年早々アホのような散財となりましたが、結果としてはとても満足しています。冒頭の一枚はサンドイッチとティーポットをK10D+フレクトゴン35mm F2.4で撮ったもの。ついでにK10D+フレクトゴン20mm F2.8で撮った一枚も載せておきます。

 どちらのレンズも色調が暖かく立体感があり、場の空気感のようなものすら描写してくれます。古いから……といってバカにしてはいられない良いものも世の中にはあるのだなあと実感させてくれました。

 もちろんK10DM42レンズを使う際には先述のように露出はユーザー側が調整しないといけない、フォーカスはマニュアル、という制約があり、じっくりと目の前の被写体と光の具合を見ながら考えつつ撮るというスタイルになります。しかし、それはそれで撮るプロセス自体が楽しく感じられますし、撮ってからの出来具合を見るのもまた楽しいものです。一眼レフやその他小物を持ち出せるショルダーバッグも新調しましたし、今年もどんどん撮っていって、「忘れられない一枚」になるようなものが撮れればいいなあと思っています。