トラットリアの愉悦: F家の場合

 1月は私の誕生日ということで、日本橋フェア・ドマに家族四人でディナーに行ってきました。

 このお店は如星師匠のお薦めで、また自分でも昨年末にランチに行ってみたのですが、料理も美味しいし、シェフを始めとするスタッフの対応も、お店の雰囲気も良かったのでかなり楽しめました。

 とはいっても、

  • 如星師匠曰く、「4〜5人ほどで行って色々と頼んでわいわいやるのが楽しいお店」とのこと
  • シェフの趣味か、グラッパの揃えが非常に多い
  • ディナーは原則二人以上でないと予約できない

……といった理由で、気楽な面子で行くディナーの方がさらに楽しめそうだなと感じていたので、この機会に家族で行ってみようということになったわけです。

 当日頼んだメニューは以下の通り。なお、写真はいずれもPENTAX K10D+フレクトゴン35mm F2.4にて撮ったものです(感度はISO100、ホワイトバランスはオート)。なお、写真のセットはこちら




  • プリモ:
    • 焼きパスタとチーズのソース(写真)
    • 塩タラとキャベツのタリアテッレ
    • 豚バラ肉とあさりのスパゲッティ
    • オーソドックスなジェノベーゼ
  • セコンド:
    • 鶉のグリル ニンニク詰め(写真)
    • 生タラのズッパ・ディ・ペッシェ(魚のスープ)
    • オックステールの煮込み




  • ドルチェ:
    • チョコレートムース ブリオッシュ添え
    • ピスタチオ(?)のアイスクリーム ブリオッシュ添え

 前菜はいずれも素材の旨味が生きており、特に鹿のカルパッチョはバジリコの香り、パルミジャーノの旨味がお肉とよく合っていて絶品。

 プリモのパスタ類も、いずれも美味しかったのですが、塩タラとキャベツのタリアテッレに豚バラ肉とあさりのスパゲッティの二品は素材の相性が意外によく、ソースにいいダシが出ていて一口食べるごとにその旨味に唸らされる出来映えでした。

 メインの料理は、鶉のグリルは鶉肉の旨味とニンニクの香りがよくマッチしており、ついつい夢中になって解体してしまいました。タラのズッパ・ディ・ペッシェも、潮気の強いトマトソースと、鱈・あさり・ムール貝がマッチしていて海鮮の旨味を凝縮したような味わい。オックステールの煮込みも美味しかったです。



 料理を一通り堪能した後は、お待ちかねのドルチェにグラッパ。写真にもありますが、さてグラッパにいこうか、という頃合いになると20種以上はあろうかというグラッパの瓶をテーブルの前に並べ、シェフ自らが嬉々としながらそれぞれのお酒の特徴を解説し、瓶を開けて香りを嗅がせてくれます。酒好きには堪らない至福の時間といえましょう。

 強めのもの、弱めのもの、樽で熟成した木の香りが移っているもの、果物を思わせる華やかな香りがするものと様々な銘柄が揃っている中で何を選んだらよいか迷ったのですが(この迷う時間もやっぱり楽しかったりするのですが)、チョコレートムースとの相性も考えて独特の甘味があり、ほのかにバニラの香りもする“LE PERGOLE TORTE”という銘柄のものにしてもらいました。チョコレートムースの甘味とコク、ブリオッシュの香り、グラッパの芳香が渾然一体となり、これまた至福の味わいでした。

 このお店のディナーに行ったらとても楽しいだろうなあ、という期待があったのですが、その期待を裏切らないすばらしい時間を過ごせて、みな大満足で帰宅の途についたのは言うまでもありません。また(写真撮りも兼ねて)ランチに行きたいなあ……。