西川魯介 「野蛮の園」(2)

 相変わらずアフォなネタ連発で疾走していますが(褒め言葉)、魯介マンガからは「真面目にバカなことをやっている」という印象も受けます。バカであることに対して真面目であるというか。本棚に並んでいる本のタイトルなど、小ネタのばらまき方も丁寧だし……。
 この巻の最後に収録されている「我がまどろみは覚めがちに」は普段のおバカ話とは違っておとぎ話めいていますが(モンスターどもの台詞が韻を踏んでいるのもそれっぽい)、こういうトーンの話、実は結構好きです。売りにくいだろうけど、ファンタジーぽい話とかリリカルな短編とかもどっかで連載やって単行本にならないかなあ。固定ファンしか買わないだろうな絶対、という気もひしひしとしますが。